【103歳どこを向いても年下ばかり】は、日本で最初の女性報道写真家で肖像写真を得意とし100歳を超えても写真を撮り続け、2014年に第43回ベストドレッサー賞特別賞を受賞し、2016年に写真界のアカデミー賞と言われるアメリカの「ルーシー賞」を受賞、そして2018年に東京都の名誉都民にも選ばれた笹本 恒子さんの本。
報道写真家になったきっかけや人生をより豊かにする為の行動や考え方について書かれたエッセイです。
ということで本日は、笹本恒子【103歳どこを向いても年下ばかり】についてあらすじや感想をお伝えしていきますね。
笹本恒子【103歳どこを向いても年下ばかり】書籍情報
笹本恒子【103歳どこを向いても年下ばかり】あらすじ
笹本恒子【103歳どこを向いても年下ばかり】のあらすじをご紹介します。
第二章 日本初の女性報道写真家誕生
笹本 恒子さんは挿絵を描いていた新聞社の知人に言われて写真協会をのぞきに行ったところ、写真協会のトップでありNHKの連続テレビ小説「おはなはん」の原作を書いた林 謙一さんから、女性の眼で撮った写真が欲しいとカメラをほとんどいじったこともないのに報道写真家になることを勧められた。
林 謙一さんは日本はもっと世界に正しい姿を知らせねばと考えており、その為には女性の眼も必要だと感じ笹本 恒子さんに白羽の矢を立て、「やっているうちに覚える」という言葉と共にライカを渡されフィルムの入れ方から教えてもらった。
「女性にしか取れない写真があるはず。それがあなたに期待することです。」と林 謙一さんは笹本 恒子さんを報道写真家に導きましたが、その前に最初に女性であることの大切さを気づかせてくれたのは画家の三岸 節子さんだった。
絵を見てもらいに三岸 節子さんの元へ伺った際に、男にできて女にできないことはないと肩ひじ張って頑張っていたのが嘘のように気持ちが楽になるアドバイスをもらった。
そのアドバイスが写真家としての笹本 恒子さんのスタンスを作ったと言っても過言ではないだろう。
三岸 節子さんからのそのアドバイスとは・・・?
第三章 年は取るものではなく捨てるもの
笹本 恒子さんは96歳まで年齢を公表していなかったが、それには理由があった。
別に若く見られたいからではなく、1985年に写真展を開いた時は71歳でしたが、その当時は50代で老婆呼ばわりされる時代だった為、年齢を知った人にはまともに取り合ってもらえなくなると心配して96歳まで年齢を伏せることにした。
だが自分の年齢を伏せておくのはけっこう大変で、年齢に制限されないためにはいつ誰に見られても大丈夫な自分でいようとする緊張感が必要であり、そう努力することは自分への約束事であった。
背筋をピンと伸ばして颯爽と歩き、人前ではシルバーパスも使わず「疲れた!」という言葉は禁句にし自分を甘やかさないようにしてきた。そして老後の心配をするよりも自分を甘やかさずに精一杯楽しく生きていきたいと考えている。
年を取ることは身軽になって若返っていくと考えている笹本 恒子さんは、年齢で人間をはかるのは本当に愚かなことであり、年だからと言って自分を制限しないのが幸せの秘訣であると語る。
長生きすれば体も動かなくなるし仲の良かった人もどんどん居なくなり、どこを向いても年下ばかりになりとても寂しいし心細くなるが、それでも自分を立て直すためのムチが必要であり、年金暮らしになるとリタイアすることをおススメはしていない。
年をとるとどうしても肌の色もくすむので、人様に感じのいい印象を与えるために明るい雰囲気になるようにある二つのことに気を付けている。
そのある二つのこととは・・・?
第七章 食べることは命を養うこと
物のない時代を経験している笹本 恒子さんは、食事は生きるために大切なことであり決しておろそかにしてはいけないと思っている。
物がない時代には、なんでも工夫して自分なりに美味しく食べるために頭を使い、そういった工夫する意欲が生きる力になる。
自分の好きなものをただ美味しくいただくことに能書きはいらない。
食べるものは心も育て、生きるうえでの大切な時間であり、食べることを大切にして楽しむのは人生の豊かさにつながる。
笹本 恒子さんは、食べたいものを食べるために手間を惜しまず、年を取ったら粗食中心と言われているがそんなことは一切無視してお肉や揚げ物が大好きで、お米は食べず戦時中もすいとんではなく自分でパンを焼いて食べてたほどのパン好きである。
そんな103歳の笹本 恒子さんが最後に食べたいと考えているものがあるが、まるで若者が食べたがるような食べ物で驚かされる。
その食べたいものとは・・・?
第十章 なんでも一生懸命
笹本 恒子さんは、長い人生の中でその時々でいろんなことをやってきましたが、若い時に一生懸命勉強したことに助けられたことが多々あった。
一生懸命取り組み身につくまで頑張った英語や生け花や洋裁や絵画の勉強などが、後々役に立ち自分の身を助けたが、身につくまでは山あり谷ありだがいつかきっと芽が出ると信じて続けることが大事であると伝えている。
人生は時間の使い方でその質に大きな開きが出ると考えているが、振り返ると戦争などでずいぶん時間を無駄にさせられたが、その時その時で一生懸命に打ち込み転んでも転んでも起きて歩き続けていれば、きっと誰かがそっと背中を押してくれる時が来る。
苦労は顔に出さずに陰で泣いても明るくふるまうことが大切であり、あるものほど強い武器はないと考えている。
そのある強い武器とは・・・?
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笹本恒子【103歳どこを向いても年下ばかり】の感想
人生100年時代と言われていますが、笹本 恒子さんのように現役でお仕事を続けられている方は少ないのではないかと思います。
笹本 恒子さんは戦時中の厳しい生活の中でも豊かに暮らす為に工夫し、習い事に対して諦めたりはせずとことん極め続けたその精神力はなかなか真似出来るものではありません。
そしてその頑張りが後々自分の身を助けることに繋がり、諦めないことの大切さを教えてもらえました。
笹本 恒子さんは学ぶことと同じくらい人生を楽しむことを大切にしており、自分を幸せに出来るのは他人ではなく自分であるということにハッとさせられました。
長生きするにしても、ただ生きていればいいという訳ではなく自分がやりたいことをし続けられるように、その為には自分を甘やかさず律していた笹本 恒子さんの生き方はとても説得力があり、自分も人生を豊かに生きる為に取り入れたいと思わされました。
笹本恒子【103歳どこを向いても年下ばかり】おすすめポイント
今では女性カメラマンは沢山おりますが、昔は報道写真家は男性しか居ない時代がありました。
そんな中で笹本 恒子さんが50歳を過ぎているにも関わらず、女性初の報道写真家になり100歳過ぎまで撮影活動を行っていたそのバイタリティはどこから湧いてくるのか、その秘訣は全ての人に参考になると思います。
生きていれば楽しいことばかりではありませんが、そんな時にどのような気持ちで受け止めるのか、そして乗り越えるのかについて人生の大先輩として沢山のアドバイスを伝えてくれているので、その言葉は皆さんの心のお守りになると思います。
人の寿命は人それぞれであり、自分の寿命はいつなのか誰も知ることは出来ませんが、だからこそいつ寿命を迎えても後悔のないように、自分のやりたいことや夢に向かって精一杯努力すること、そして諦めないことの大切さを教えてくれるような一冊です。
年齢は夢を諦めることの理由にならない、まるでそんなことを教えてくれており、何歳からでも挑戦する前向きな気持ちや、人生の大先輩として年を重ねてからの人生の楽しみ方を学べるのでおススメです。
まとめ
「自分はもう歳だし・・・。」と年齢を理由に色んなことを諦めている方には、笹本 恒子さんの何歳になっても色んなことにチャレンジできるし、人生を楽しむことが出来るということを教えてもらえるような一冊です。
ツイてないな~とかいいことがないな~と思っている方には、自分がいかに恵まれているか幸せなのかということは意外と気づきにくいですが、笹本 恒子さんのように身の回りの小さな幸せにも目を配ることでより幸せになれるという秘訣が沢山書かれています。
長生きしたいと思っている方には、笹本 恒子さんが気を付けている普段の行動や食生活も長生きの秘訣に繋がっていると思いますので、ぜひ今後の生活の参考にしていただけると思います。
昔は男尊女卑の考え方により、女性は自分のやりたいことが出来ずに諦めなければいけないような環境でしたが今は女性も選択肢が増えてきました。
何かやりたいことがあるのに諦めている方には挑戦出来るチャンスがあること自体物凄く恵まれているので、あとになってからもっと色んなことに挑戦しておけばと後悔しないためにも、失敗を恐れず挑戦することの大切さを教えてもらえると思います。
★この本が気になった方にはこちらの本もおすすめです★
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