【どすこいな日々】は、幼少期をドイツや中国で過ごしたこともあり、高校では軽音部に入部し音楽を始め、PlayYou.Houseのメンバーとしてバンド活動を開始したが、その後はソロ活動でCM曲に採用されたりNHKのみんなのうたで書き下ろし曲の「親知らず」が大反響になったり、アーティストにも歌詞を提供している才能豊かな「関取 花さん」による本。
幼少期のエピソードや音楽を生み出す際の苦労やよもやま話を喜怒哀楽たっぷりの文章で綴った抱腹絶倒間違いなしのエッセイです。
ちょっと息抜きしたい時におすすめな本、関取花【どすこいな日々】のあらすじと感想をご紹介していきますね。
関取花【どすこいな日々】書籍情報
関取花【どすこいな日々】のあらすじについて
関取花【どすこいな日々】のあらすじをご紹介します。
私は何の花?
小さい頃自分の名前の由来を親御さんに聞いてみたことある方は多いのではないでしょうか。
関取 花さんも「花」という名前がなんの花をイメージしたものなのか母親に訪ねてみたところ、自分は「チューリップ」や「バラ」や「ガーベラ」みたいなお花をイメージしていたのだが、母親から返ってきたのは想像もしてなかった回答だった。
関取 花さんは自分の「花」という名前は、花のように誰からも愛されるような子に育ってほしいというような意味でつけられた名前だと思っていたので驚いた。
そして母の回答は花の名前ではなくあまりにも想像と違った回答だった為、関取 花さんは一瞬頭が真っ白になったが、母が続けて話した由来はさらに想像を超えた素敵なエピソードだった。
関取 花さんの母親がどんな「花」をイメージして「花」と名付けたのか・・・?
本休日
ミュージシャンの休日と聞くと、本を読んだり映画を観たりレコードを聴いたりするようなクリエイティブな休日を想像しますが、関取 花さんは余裕がない時にそういったものに触れて刺激や影響を受けると全然心が休まらない為、「準休日」と「本休日」という2種類に分けているそうです。
「本休日」には基本的にはベッドとトイレと冷蔵庫の3点しか移動せず、昼過ぎまで寝て時々トイレに行ったりお腹が空い関取 花さんたら何か食べて、お腹がいっぱいになったら横になっている。
さすがに何日もその生活が続くと多少の危機感を覚えてたまに外出して、本屋で立ち読みしたりレンタルビデオ店でお笑いのDVDを借りたりすることもあるという。
DVDを借りに行った帰り道に自転車に乗りながら、昔自転車で2人乗りをすることをなぜか読み間違えて、友人に爆笑されたことを思い出した。
そして関取 花さんだけではなく母親も血は争えないと思うほどの爆笑ものの読み間違いをしていた。
関取 花さんと母親が読み間違えていたものとは・・・?
転校生
関取 花さんは小学時代を3つの学校で過ごし、ドイツの小学校ではほとんど日本の小学校と変わりはなく、ドイツの地域柄なのかのんびりとした子が多く平和な空気しか漂っていなかった為、良い思いでしかなかったが、その後に引っ越した中国では2か月ほど日本人学校に通った。
そして日本に帰国し日本の小学校に通い始め、図工の授業で「プレゼント」というテーマで作品を作ることになり、関取 花さんは小さな頃から持っているうさぎのぬいぐるみを描こうと思っていたが、周りを見渡すとみんなは宇宙人を描いていた。
みんなと一刻も早く馴染みたいと思っていた関取 花さんはうさぎのぬいぐるみを描くのを止めて、みんなと同じように宇宙人を描いたところ、市の図工展に入賞し展示されているのを休日に家族で見に行ったのだが、いつも関取 花さんの絵を褒めちぎってくれる母親は、なぜかその時だけは「上手に描けてるね」と言うだけでそれ以上のことは言わなかった。
だがその後になぜ宇宙人の絵を描いたのかを関取 花さんに問いかけ、みんなが描いていたから自分も描いたことを伝えると母親から胸が熱くなるようなある言葉を言われて少し泣きそうになった。
関取 花さんの母親が関取 花さんにかけた素敵な言葉とは・・・?
父の話
関取 花さんはブログやライブのMCやラジオ番組で母親の話をすることが多く、そんな母親は明るくて天真爛漫でお洒落で茶目っ気があり、まるで少女のような女性でとんでもないエピソードを生む天才でもあるが、父親は母親とは真逆でまるで「男は背中で語る」というようなタイプである。
仕事が多忙でも家には絶対仕事を持ち込まず、休日には必ず家族をどこかに連れて行ってくれるようなそんな家族想いな父親を関取 花さんは心の底から尊敬しており、結婚するなら父親みたいな人がいいと思っているくらいである。
関取 花さんが反抗期の時代に母親は真正面から全力でぶつかってくるタイプだったが、父親は関取 花さんと母親の戦いをただ遠くから眺めるということはせず、一人ずつ呼び出して論点を整理しお互いの悪いところを気付かせて最終的には2人できちんと解決出来るように導いてくれた。
ある時、関取 花さんが父親に些細な嘘をつきそれがバレたことがあったが、父親は頭ごなしに関取 花さんを叱ったりすることなどはせず、関取 花さん言い分を聞いてから自分の思いを話し始めた。
関取 花さんが父親のことをかっこいいと思えたある言葉とは・・・?
関取花【どすこいな日々】の感想
本著の「関取 花」という名前を見た時に、てっきりペンネームかと思っていたのですが、紛れもなく本名であり苗字の「関取」とは先祖が関所の門番だったことが由来らしいということを知って、今まで「関取」という苗字の方に会ったことがなかったのでとてもビックリしました。
本著を読むまで関取 花さんのことを知らなかったのですが、このエッセイに書いてある文章はとてもユーモアたっぷりで共感出来ることも沢山あり、関取 花さんの魅力にハマってしまいました。
ミュージシャンと聞くと、「自然と言葉やメロディーが降りてきた」みたいな何か神秘的な能力を持っているような気がしていました。
でも関取 花さんは自分にはそういった特別な能力は無く基本的にケツを叩かれないと歌詞を書けないと言うところも、なんだか夏休みの宿題を最終日に慌てて取り組んでいた自分に重なりとても共感出来ました。
作詞作曲の為に、瞑想をするといいと聞きインターネットで瞑想の方法を検索しているうちにいつの間にかインドカレーの情報サイトに辿り着き、結局そのまま食べに出かけてしまうなど、なんともおちゃめな一面についクスクスと笑ってしまいます。
関取 花さんのご家族のことも書かれているのですが、父母兄はそれぞれ個性が違うものの皆さんとても魅力的なエピソードが満載で、こんな素敵な家族の中で育ったからこそユーモアで感性豊かな人柄になったのかもしれないなと思いました。
思いがけず音楽からではなく本から関取 花さんのことを知ることになったのですが、そんな関取 花さんがどんな音楽を奏でているのか凄く興味を持ったので、色々聴いてみたくなると思います。
関取花【どすこいな日々】のおすすめポイント
関取 花さんは反抗期には結構激しめにご家族とぶつかり合うことがあったそうなのですが、その時のお父さんとお母さんの対処方法がそれぞれ異なり、どちらも関取 花さんを思っての言動や行動であることが伝わってきました。
関取 花さんも大人になってから自分の言動や行動の幼さを痛感していたのですが、きっと皆さんも反抗期の頃に似たような経験をされたこともいらっしゃるのではないかと思います。
親御さんになって自分のお子さんが反抗期になった時に、自分もこんな思いを親にさせてしまっていたのかみたいなことに初めて気づくという方もいるかもしれません。
私は独身ですが、歳を重ねるうちに自分の行動や言動がいかに幼かったのかに気付くことが多く、その度に親の有難さをしみじみ感じており、本著を読むと色んなことを振り返られるのでおススメです。
関取 花さんもなかなか個性豊かなのですが、そのお母さんもとても素敵な感性豊かな方で、関取 花さんの名前の由来や、自分がどこから生まれてきたのかを聞かれた時の回答や関取 花さんが好きでもない絵を描いて賞を獲った時にかけた言葉など、粋で素敵だな~と思わされるものばかりでとても参考になると思います。
まとめ
関取 花さんのファンの方はもちろん、関取 花さんを知らなかった人にもその魅力に引き込まれること間違いなしです。
そんな私も引き込まれた一人で、さっそくネットで関取 花さんの音楽を聴き始めています。
どれも素敵な歌ばかりなのですが、特に「むすめ」という曲の歌詞がとてもぐっとくるのでぜひ聴いてみていただきたいです。
ちょっと心が疲れている方や気分転換したかったり息抜きしたいと思っている方には、関取 花さんのユーモアたっぷりで普通ならつい隠してしまうこともあけすけに語っていたりするので、ついフフフって笑ってしまい、読み終わった後はなんだか少し気持ちが軽くなっているように感じるのでおススメです。
本著の中の関取 花さんは親近感ありまくりのエピソードが満載のため、ついアーティストであるということを忘れてしまいそうになります。
でも要所要所に書かれている感受性豊かな部分に自分にはその発想はなかったなと気付かせてもらえたり、普段まったく気にしてなかった視点についてなど書かれているので、つい偏った思想をしがちな方には心をほぐしてもらえるような一冊です。
お子さんがいらっしゃる方には、関取 花さんのご両親のお子様との向き合い方や言葉のかけ方がとても素敵で、子育ての参考になること間違いなしです。
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