【おつかれ、今日の私。】は、音楽プロデューサー・作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティという沢山の肩書を持つ多彩なジェーン・スーさんによる、つい頑張っちゃう人に向けて心に沁みる言葉が満載です。
心身ともに疲れてしまっている人には必見の自分を慈しむセルフケア方法が沢山詰まったエッセイ集です。
ということで、ジェーン・スー【おつかれ、今日の私。】のあらすじや感想、またおすすめポイントについてもご紹介していきますね。
ジェーン・スー【おつかれ、今日の私。】書籍情報
ジェーン・スー【おつかれ、今日の私。】のあらすじ
ジェーン・スー【おつかれ、今日の私。】のあらすじについて、お伝えしていきますね。
婚活のしんどさについて
三十四歳になったばかりで女友達と呼ぶにはまだ少し早いけど、なんとなくこれからもっと仲良くなれそうな気がしている年下の女性は絶賛婚活中だった。
そんな彼女は「なんでしんどいのか、自分でもよくわからないんですよ」と言っていた。
そして彼女は「ちゃんと恋愛してから結婚したいと思っている」のですが、その気持ちに共感する人は多いのではないでしょうか。
彼女は知人の紹介やマッチングアプリを使って月に2度ほどデートをしたりして婚活を頑張っているけれど、知らない人と会うというのはそれだけでも相当疲れるものである。
そんな彼女がつい最近出会ったのは、条件的にはとくに何の問題もない人だったのだが、その人のことを話す彼女のなぜか表情は暗かった。
いったい彼の何が問題だったのか、そしてそんな彼女にジェーン・スーさんが伝えたアドバイスとは・・・?
取返しのつかない失敗を乗り越える方法
ネガティブなことが起きた時にずっと同じことばかり考えてしまうということに共感する人も多いのではないだろうか。
ジェーン・スーさんは仕事上の大事な場面でとんでもない失言をしてしまった。
だがそれはだいぶ前のことにも関わらず、そればかり思い出してしまい記憶が薄れるどころかどんどん鮮明になっていくという。
誰にでも似たような経験はあるかと思いますが、そんな時の対応方法は人それぞれで、ジェーン・スーさんの場合は自分で自分の親友になりすまして思いつく限りの励ましの言葉を自分にかけたのだが、それでも今夜は全然効かなかった。
そんな時はあることをして前向きになれたとは言えないがフラットにまではなんとか持ち込むことが出来た。
ジェーン・スーさんがとったそのある行動とは・・・?
なんのために生きているか
大好きな人と別れたばかりの彼女が「なんのために生きているのか、もうわかりません」と憔悴しきった顔で絞り出すように言った。
誰にでもこれに似た思いを経験したことはあるのではないでしょうか。
例え別れの前兆があったとしても、それでもいざその時がきてしまうとそんなにすんなり受け入れることなんて出来ずに絶望感にのまれてしまうと思います。
ましてやその絶望に追い打ちをかけるように、好きだった人が別の人のところに行ってしまったという事実は、自分の存在意義をわからなくさせてしまう。
とくに30歳手前の年齢でまだ未婚の人にとっては、結婚も視野に入れたお付き合いだったのなら尚更別れが堪えますが、人生は自分が思っているよりもずっと長い。
そしてもう二度とこんな思いをしたくないと思っていても、同じことを繰り返してしまう。
四十歳をとうに過ぎたジェーン・スーさんが考える「なんのために生きるか?」という問いの答えは・・・?
おつかれ、若かった頃の私。
加齢と聞くとついネガティブなことのように思えますが、ジェーン・スーさんは「予想外のことが連続して起こるから楽しい」とポジティブに捉えている。
例えば昔からテレビCMで見ていた「老眼」についても、その言葉自体は知っていたものの、実際に自分が体験するまではそれがどういう状態なのかはわからなかった。
しかしある時期から夕方になると目の焦点が合わなくなり、その時にはじめてカスミ目というものを認識した。
ジェーン・スーさんが若い頃に年上の女性たちから「四十代はもっと楽しい」とか「気持ちが楽になった」という話を聞くとちょっとホッとする半面、その言葉が本当なのかを疑う気持ちもあったという。
そしていざ自分がその年上女性たちと同じような年齢になった時に、その言葉の真意がわかったように思えた。
たしかに年を重ねるのは悪いことばかりではなくむしろ味わい深く感じるとも言える。
とはいえ、楽しいことと辛いことにも変化が起きるということもわかった。
ジェーン・スーさんにとっては夢や希望の詰まった行為だと思っていたあるものが、歳をとったことにより精神的な負荷になることになってしまった。
そのある行為とは・・・?
上手に休むのも能力だ
昔は「24時間働けますか」というCMがあったくらい、いかにバリバリ働けるかが注視されていた時代があったが、今は心身共に疲弊している人が多いのではないだろうか。
そんな現代の状況にジェーン・スーさんは私たちは、なぜこんなにも疲れてしまうのだろうと疑問に思う。
疲れてしまう原因は通勤の満員電車のキツさなどの体力的な問題だけではなく、むしろ精神的疲労の方ではないだろうか。
疲労はキャパオーバーの証であり、体が悲鳴を上げてもう休んでほしいということを教えてくれているサインである。
そのサインに気がつかないふりをして頑張りつづけると、そのうち心が過呼吸を起こして呼吸すらも上手く出来なくなってしまう。
でも私たちの頑張りパワーというものは有限であり、できることにも限りがある。
ジェーン・スーさんが考える体と心が躓いた時にとる手段とは・・・?
おつかれ、今日の私。【電子書籍】[ ジェーン・スー ]
ジェーン・スー【おつかれ、今日の私。】の感想について
ジェーン・スーさんのエッセイが大好きで「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」「これでもいいのだ」「ひとまず上出来」など新刊が出ると必ず読んでいます。
本著も自分に向けて書かれたのではないかと思うくらい心に刺さるエピソードが満載でした。
今はコロナの影響もあり、以前ほど友人と気軽に会ったり女子会などの機会がめっきり減りましたが、本著を読んでいるとまるで自分も参加して女子同士の話を聞いているかのような気持ちになりました。
ジェーン・スーさんの本はそういう気持ちにさせてくれることが多く、一度読んだことがある本でもつい時間を空けてまた読み直したくなります。
ジェーン・スーさん自身の色んな心境やエピソードが赤裸々に書かれており、そんなジェーン・スーさんに自分の悩みも相談したくなるような気持になりました。
悩みの対処法は色々ありますが、意外と友人同士でも深い話はしなかったりするので、他の人が悩みに対してどんな対処法を行っているのかは知らなかったりするので、本著に載っている対処法が個人的にとても参考になりました。
ジェーン・スー【おつかれ、今日の私。】のおすすめポイント
「加齢」と聞くと一見ネガティブなイメージですが、実際に加齢を体験してみるとそんなに悲観することはないよという、まるで励ましとも思えるような著者自身の体験や友人などのエピソードが満載なので「年をとるのも悪くはないかも」と思わせてもらえます。
何か辛いことがあったりしんどい気持ちの状態でも人に相談したり話すことが出来ずに自分の心だけに抱えてしまうタイプの方には、まるで著者が自分を励ましてくれているような気持になれる優しい言葉が沢山詰まった一冊です。
ジェーン・スーさんは2023年3月時点では独身ですが、本著には独身女性や既婚女性のエピソードが盛り込まれています。
どのエピソードも共感出来る部分が多く、まるで自分の友人の話を聞いているかのように引き込まれるところが魅力です。
一章が3~4ページほどで一章完結型なので、気になった章からランダムに読んでいただくことが出来ます。どの章も琴線に触れるようなエピソードだらけで、心穏やかに読むことができます。
まとめ
頑張り続ける毎日に心身ともにお疲れ気味な方には、自分の労わり方や気持ちの切り替え方やどのようにしてその局面を乗り切るかについてのアドバイス的なものが沢山載っているので、自分にしっくりくる対処法が見つかると思います。
ジェーン・スーさんは現在49歳(2023年3月時点)ですが、20代や30代の方には将来自分が迎える老いという未来がどんなものなのか、そしてそれは悲観しなくてもよいということを教えてくれるような一冊です。
そして40代の方には自分が置かれている状況と似ているエピソードが多く、激しく共感すること間違いなしです。
また、50代オーバーの方にも自分がその年齢の頃にはどんな風に感じていたかなど振り返ることが出来るので楽しんでいただけるかと思います。
本著は女性向けのエピソードもありますが、男女問わず共感できるエピソードも沢山書かれているので、男性の方にも楽しんでいただける内容です。
昨今、男性も女性も疲れているのにそれに気が付かず、自分を労わることが出来ていない人も多い気がします。
本著を読むと自分にも思い当たるエピソードなどに「あれ?もしかして自分も疲れているかも」ということに気が付かせてくれるかもしれません。
★この本が気になった方にはこちらの本もおすすめです★
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