【サイコーサウナ】は、テレ東のドラマ『サ道』は、サウナブームの火付け役にもなり、そのプロデューサーである五箇公貴さんによるサウナの魅力を最大限に伝えるサウナバイブルのような一冊です。
全国津々浦々にある心と体をサイコーに整わせてしまうサウナについて盛り沢山なおすすめポイントについて語る。
そんな「サイコーサウナ」を誕生させた経営者たちの、熱すぎる人生ドラマに迫った波乱万丈な裏歴書ストーリーが綴られたエッセイ。
今日はその、五箇公貴【サイコーサウナ】について、あらすじや感想をご紹介していきます。
五箇公貴【サイコーサウナ】書籍情報
五箇公貴【サイコーサウナ】のあらすじ
五箇公貴【サイコーサウナ】のあらすじを、まずはご紹介します。
五感がよろこぶサウナがサイコー!
家業で温泉旅館を経営している家に生まれた小原嘉久さん。
小原さんには兄がいたため家業は兄が継ぐものと思い、小原さんは音楽関係のバイトをしつつプロのDJを目指してイベントや作曲に熱中していた。
とはいえ音楽の世界はそんなに甘くなく、親に援助してもらいながらなんとか生活するありさまだった。
そして旅館の経営が上手くいってないと父親から連絡があり、手伝ってほしいという言葉で実家に戻ることを決めたのだが、旅館の経営を少しずつ任されるとどれくらい経営状態が悪いのかを目の当たりにした。
結局兄は旅館を継がずに小原氏が32歳で継ぐことになったが、それと同時に○○億円の債務を抱えることになった。
それをなんとかしようとがむしゃらに仕事をこなした結果、見事〇年で赤字状態から回復させることが出来た。
そして経営が安定するようになると、旅館経営をもっとクリエイティブなものに出来ないかと考え、自分がかって熱中したDJ時代の経験を旅館作りに活かし、自分の理想とする「楽園」を作ろうと考えた。
その楽園とは・・・?
大自然に囲まれたサウナ小屋がサイコー!
まずは「野田クラクションべべー」さんのックネームがどのように誕生したのかの経緯から始まり、そのニックネームの名付け親でもある当時の社長からの無茶ぶりな要求に全力で答え続けた野田クラクションべべーさん。
野田クラクションべべーさんは普通の人ならとっくの昔に逃げ出したであろう過酷な状況にもなぜか逃げ出さなかった。
ある時、ブログに載っている野田クラクションべべーさんの体型を見た社長から「太ってきているから四国でお遍路してこい」という無茶ぶりな指令があり、断ることが出来ずに言われるがままお遍路を始めた。
はたからみるとただの無茶ぶりでしかないですが、このお遍路の経験があったからこそ野田クラクションべべーさんがサウナに目覚めたきっかけになったので、人生は何が幸いするかわかりませんね。
社長のおかげでサウナに目覚めこれを仕事にしたいと思い、社長にサウナの良さをプレゼンすべくサウナの本場のフィンランドに連れて行ったものの、そこで2人を待ち構えていた特殊なサウナやその後の悪戦苦闘ぶりが面白く描かれています。
その特殊なサウナとは・・・?
テーマパークみたいでサイコー!
西尾吉孝さんは高校卒業後にロサンゼルスの英語学校に通ったのちカレッジに入った後に、ロスの寿司屋の大将からスカウトされた。
そのスカウト理由は本物感を出すためという理由で寿司も握れない西尾さんに握っているふりでいいからと言われたので寿司屋でアルバイトをしつつ、クラシックカーも好きだったので所ジョージさんも買いに来るようなクラシックカー工場でも働いていました。
バイト中心の生活でカレッジでの勉強がおろそかになっていた西尾さんに対してカレッジ側から三行半を下され、そのまま日本に帰るのかと思いきや日本に帰る前にニューヨークに寄った西尾さん。
ニューヨークでふとニューヨーク大学に行きたいと思い付き受付に願書を取りに行くとあるミラクルが起きる。
そしてニューヨーク生活を満喫していると、日本で旅館業をしている父親がやってきてある事を西尾氏にそれをきっかけに日本に帰国したのだが、それがまさかの嘘だったという事が判明する。
ドラマや映画になってもおかしくないような面白い人生を送っている西尾氏が現在のサウナに辿り着いた経緯が面白おかしく描かれている。
父親がついたある嘘とは・・・?
シングルマザーが作ったロシア式サウナがサイコー!
ロシア出身のアルビナ・マキナさんは25歳の時に娘と二人で福岡県に来ました。
日本に来日した当時はまだ日本語も堪能ではなく、スマホ等もまだ無かった時代だったので買い物に行っても欲しい物を伝えられなかったので露日・日露の2冊の重たい辞書を持ち運びながら生活する日々でした。
そして思い付きで貿易の仕事を10年続けたのちに、別の事業をしようと考えた時に思い付いたのはロシア伝統のサウナである「バーニャ」だった。
ロシア人の伝統はバーニャとともにあると言っても過言ではないくらい密接に結びついているというが、ロシアにはどんなバーニャがあるのか、そしてどんなシステムなのか・・・?
元プロレスラーの熱波がサイコー!
元プロレスラーであり、JSNA熱波師検定講師やドイツサウナ協会公認熱波師の資格も持つ井上勝正さん。
今の姿とは想像もつかないが、大阪生まれで小学校の頃は学校でいじめに遭い学校には行かなくなってしまったそうです。
そんな時に「北斗の拳」のケンシロウに憧れ「自分も体を鍛えよう」と思い立ちジムに通うようになり、その後ひょんな事がきっかけで大日本プロレスに誘われプロレスの道に進むという思いがけない展開に。
しかし父親の稼業の印刷業の業績が悪化し積み重なった借金は想像以上に膨らんでいた。
そのため、プロレスを辞めようと決意する程の衝撃的な出来事が起こるが、その後に井上氏がどのようにして今の熱波師の道に導かれたのか・・・?
五箇公貴【サイコーサウナ】の感想
私はオーソドックスのサウナしか入った事がなく、その時は暑くて息苦しいというイメージで水風呂にも入る事もしていなかったのでまだ「整う」という体験をした事がない為、いつかは「整う」と体験してみたいな~と密かに憧れております。
こちらの本を読むまではサウナブームも一過性のものかと思ってました。
でもどんどんサウナの魅力に取りつかれたサウナー達が続々と誕生し、サウナを題材にした原作の漫画がドラマで放送されたりサウナの素晴らしさが普及されていったのは、それだけサウナが心身によい効果を与えてくれるという証拠ですね。
本書に出てくるオーナーさんや社長さんの波乱万丈な人生模様がその辺のドラマよりも面白く、もし自分がその立場だったらすぐに諦めていただろうな思う話ばかりでした。
どんな逆境も楽しんで乗り切れるのが凄いなと感心させられたり、どのサウナの舞台裏話も興味深く読む事が出来ました。
五箇公貴【サイコーサウナ】おすすめポイント
サウナには欠かせない火入れの作業。
知らない人にとっては火入れなど簡単に出来るのではと思いがちですが、知識が無かったり慣れていないと火入れに2時間半もかかったり、薪の種類も広葉樹は蓄熱する為に使用し、針葉樹は温度を上げる為に使用するなどただ薪をくべておけばよいという訳ではない。
でもお客様にベストな状態を楽しんでもらう為に色んな微調整が必要であるというサウナの奥深さを知る事が出来ます。
本書には「ロウリュ」と「アウフグース」というワードが登場します。
世間一般には「ロウリュ」はだいぶ認知されているかと思いますが、「ロウリュ」とは熱したサウナストーンにアロマ水などをかけることをいいます。
ロウリュはフィンランド発祥の為フィンランド語であり、あくまで「サウナストーンに水をかけるところまで」をロウリュと呼びます。
一方「アウフグース」とは、 ロウリュを行なった後に、立ち昇った蒸気をタオルなどであおぐ行為のことです。
「アウフグース」とはドイツ発祥の為、ドイツ語であり、日本ではアウフグースのことを「熱波」と呼ぶサウナ施設もあり、「スカイスパYOKOHAMA」では約100名の男女が同時利用可能で音楽や映像などを流すアウフグースショーを愉しむ事が出来るそうです。
本書を読むまでは水風呂にはただ水を入れているだけだと思っていましたが、水風呂専用の冷却チラーという専用の機械がある事を知りました。
サウナが熱くない事と同じくらい、水風呂が冷たくない事はサウナ施設においては致命傷になるくらいの重要さの為、冷却チラーで水風呂の温度を調整しているそうです。
「アダムアンドイブ」で冷却チラーが真夏に故障した際に機転を利かし、ある物を代用としたところ常連の方からは好評でなんとかピンチを乗り切りましたが、いかに常にベストな環境をお客様に提供出来るかの重要さがどの施設の章でも語られていて非常に興味深い内容でした。
まとめ
いうまでもなくサウナが好きな人には、全国にはこんなに色んなサウナがあり、わざわざそこに行かないと体験出来ないような個性的なサウナを知る事が出来ると思います。
旅行好きな人にも観光地を巡る感覚で、全国のサウナを巡るという楽しみ方が出来ると思います。
本書で紹介されているサウナは大自然の中にある所が多い為、旅行とサウナを組み合わせる事で体と心のリフレッシュになるのではと思います。
人生に悩んでいる人にはオーナー人達の波乱万丈過ぎる人生を知ると、人生にはいい事も悪い事もあるけれど、いい意味で何が起こるかわからないという励みになると思います。
サウナ未体験の方やオーソドックスなサウナしか知らない人には、色んな種類のサウナがあり多種多様な楽しみ方が出来るという事が知れるので、興味深く読んでいただけると思います。
★この本が気になった方にはこちらの本もおすすめです★
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