「結婚」とはハッピーなものなのかそれともそうではないのか、のちに夫となる交際相手との心理戦を山内マリコさんが赤裸々に綴っている。
それに対して交際相手からの異議申し立て的なコーナーもあり、男性と女性の考え方の違いや意見がぶつかった時に解決方法など、同棲から結婚の流れを経験した山内マリコさんの実況解説的レポートにより男女の真実があぶりされる。
【皿洗いするの、どっち?】は、結婚を考えている女性や既婚女性にも共感するところがありまくりな一冊です。
ということで今日は、山内 マリコ【皿洗いするの、どっち?】のあらすじや感想についてご紹介していきたいと思います。
山内 マリコ【皿洗いするの、どっち?】書籍情報
山内 マリコ【皿洗いするの、どっち?】のあらすじ
ということでまずは、山内 マリコ【皿洗いするの、どっち?】のあらすじについて、ご紹介します。
もっとも近しき者がもっとも雑な扱いを受けやすい
意外と感情の起伏が激しい著者は、彼氏以外の人に対してはかなり寛容にもかかわらず、なぜか彼氏が相手だと途端に狭量になってしまう。
そんな彼女のことを彼氏は「夜叉」と呼んで恐れるくらいである。
「親しきなかにも礼儀あり」という言葉があるが、その礼節の心を維持するのはもはや精神修行だと語る。
2人の生活で基本的に著者がルールを提案したり取り決めるが、パートナーが何かを提案したり自発的に動いたりすることはまずないという。
しかしたったひとつだけ、パートナー発信で施行されたある案件がある。
その案件とは・・・?
一緒に暮らす男女はダメな部分が似てくる
著者が元旦に誓った新年の目標は負の感情を自分で上手く制御することだったにもかかわらず、著者発信の小さなケンカが1日おきのハイペースで起きている。
なぜケンカになるのかを分析したところ3つのパターンが浮かび上がってきた。
ケンカの詳細を女友達に話せば100%の同意を支持を得られるが、なぜか彼氏が相手だと話が通じずこじれることが不思議でたまらない著者。
ある日パートナーから手紙が届いた。その中に書かれていた事とは・・・?
日本の女性は世界でいちばん可哀そう
仕事の疲れにより背中がコリまくっていた著者が中国出身のマッサージ師の女性のマッサージを受けながら色々話しているとその中国人彼女は「日本の女性はすごく可哀想」と言った。
中国では共働きが多いが、日本のように奥さんが外で働きつつ家事もやりそして子供の面倒をみるという超過重労働をしているわけではない。
なぜかというと、家政婦さんを雇うのが一般的であり、人件費が安い為毎日家政婦さんに来てもらっても払えない額ではないという。
そんな彼女から中国&台湾と日本の結婚生活の違いを聞き衝撃を受けた著者は、さっそくパートナーに「台湾を見習おうぜ!」と持ちかけた。
それに対するパートナーの回答とは・・・?
ロマンティック成分に飢えた女は暴言を吐く
3か月もの間デートというものをまったくしていなかった著者はデートが欠乏して死にそうになっていた。
同棲前は週末ごとにデートをしていたが、一緒に住んでいるといつの間にかデートみたいにあらたまっての外出はしなくなってしまった。
そしてデートを楽しむ相手だった彼氏がいつ日か毎日夕飯を一緒に食べる友達みたいな関係になってしまった。
そんな著者に対してパートナーがある提案をしてきた。
その提案とは・・・?
女の9割は「男は大型犬説」に納得する
毒舌キャラで有名なヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんが『今夜くらべてみました』で『(うちの母が言っていたのが)男は大型犬と一緒よ。すごく手がかかる、けど可愛い。褒めれば新聞くらい取ってくる。』と話していたという。
そんな『大型犬』説を著者はチャーミングで非常にしっくりくると考えた。
夫の家事に対する積極的ではない姿勢に対して湧き上がる負の感情をぐっとこらえながら、著者は自分にある言葉を言い聞かせる。
その言葉とは・・・?
皿洗いするの、どっち? 目指せ、家庭内男女平等!【電子書籍】[ 山内マリコ ]
山内 マリコ【皿洗いするの、どっち?】の感想についても
個人的に「その気持ちめちゃめちゃわかる!」と思わずうなずいてしまうようなエピソードが満載で、やはり大人になってから赤の他人が一緒に過ごすということは、2人の生活に慣れるまでは多少なりとも色んな揉め事などがあるかと思います。
でも一つ一つ話し合ったり時にはケンカしたりしてお互いに歩み寄っていくということは、男女のことだけに関わらず色んな人間関係にも通じるなとしみじみ考えさせられました。
山内マリコさんの赤裸々な物言いにスカッとする場面もあり、ぼろくそに言われているパートナーさんにちょっと同情する部分もありますが、それもお互いの信頼関係があってこそなんだろうなと思います。
著者のパートナーの方の話し方が、なぜかオネエ風な話し方なところもツボに入りました。
前々から思っていたのですが、喧嘩の時やこちらの意に沿わない意見などを聞く時などは語尾がオネエ言葉だと不思議とソフトに感じる気がします。
例えるなら「尾木ママ」を想像していただくと伝わりやすいでしょうか。
もし世間の男性陣がケンカの時だけオネエ言葉にすると、もしかしたら衝突が少し減るかもなど想像してみたりしています。
山内 マリコ【皿洗いするの、どっち?】MOMOのおすすめポイント
著者の小説の作風はどちらかと言えばPOPな感じではないのですが、プライベートではこんなにくだけた感じなのかと、作品とのギャップが楽しむことが出来ます。
私は本著を読んで山内マリコさんに対して物凄く親近感がわいたのですが、どのような生活の中からあんなに色んな素敵な小説が生み出されているのかということが垣間見れる貴重な作品です。
結婚前の同棲生活から結婚に至るまでの経緯やマリッジブルーになりかけた時の心境は、実際に同じようにマリッジブルーになった方もですが、そうでない方も「自分もそうなるかもしれないな」と思ってしまうほどリアリティがありました。
そんなシングルライフへの別れの儀式として著者がある素敵なプランを思いついたものの、予測不能なパートナーさんの言動と行動で思いがけない結果になった。
なんだかんだいって仲良しな二人だなと思わされる素敵なエピソードが満載です。
著者が売れる前からパートナーと同棲していましたが、パートナーに養ってもらっていた訳ではなく親のすねをかじるニート状態だった。
世間体の立場からの焦りにより、パートナーに結婚を提案をしたところ、それに対してのパートナーの回答が結果的に著者にハッパをかけることになり最終的に売れるとこまでいけたというビックリなエピソードもおすすめです。
まとめ
『あのこは貴族』『ここは退屈迎えに来て』『アズミ・ハルコは行方不明』が映画化された人気作家の山内マリコさんとパートナーの方とのプライベートが赤裸々に描かれています。
あまり作家さんの私生活を知る機会は少ないかと思いますので、作品からからは見えなかった作家さんの裏側を知ることが出来て楽しめるかと思います。
これからパートナーとの同棲や結婚を考えられている方には、男女の思考の違いやどのようにすれば(多少)円満に暮らすことができるのかという参考になるかと思います。
とはいえ、それぞれのカップルの性格次第ではありますが、一つ二つは共感出来るところもあるのでは。
本書は山内マリコさんだけではなく、パートナーの方も各章の最後に「男のいいぶん」として思いを語っているので、女性と男性の両方のいいぶんを知ることが出来る為、女性だけではなく男性にも楽しんで読んでいただけると思います。
男女のカップルだけに関わらず、シェアハウスを検討されている方にもとても参考になるかと思います。
普段外で会っている時は気づかない部分が一緒に暮らしてみて初めてわかるということもありえますので、その前にどういった点を確認しておくべきかなどの参考になるのでおすすめです。
★この本が気になった方にはこちらの本もおすすめです★
コメント