藤原綾【42歳からのシングル移住】のあらすじや感想!人生の岐路に悩んでいる方にお勧めの作品

勇気を貰いたい時

【42歳からのシングル移住】は、早稲田大学卒業後に大手の生命保険会社に入社し、その後宝島社に転職しファッション誌の編集に携わり、独立してライターになった藤原綾さん。

その藤原さんが、ある事をきっかけに地方に移住した経緯についてや、移住後の生活について赤裸々に書かれたノンフィクションエッセイです。

ということで今日は、藤原綾【42歳からのシングル移住】についてのあらすじや感想、またこの本がおすすめな理由などもご紹介していきますね。

藤原綾【42歳からのシングル移住】書籍情報

・発売日:2023年2月
・著者:藤原 綾
・カテゴリー:ノンフィクションエッセイ
・書籍分類:単行本
・ISBN:978-4-08-788087-8

藤原綾【42歳からのシングル移住】のあらすじ

藤原綾【42歳からのシングル移住】について、まずはあらすじをご紹介します。

出世欲など何もない。中の中の心地よさたるや

藤原 綾さんが小学生の頃に通っていた進学塾ではクラス分けが行われており、トップのクラス以外の子はトップのクラスに入ることを目標に頑張っていた。

逆にトップのクラスの子はトップクラスでの順位や下のクラスに落ちないようにしなければいけないと考えてしまうような環境だったそうです。

そしてトップクラスの子は自分より成績が下の子に対してあまり感じのよい態度をとっていたことを今でも覚えているそうなのですが、これは子供の頃に限らず大人になってもそういったことをしてしまう方がいるような気がします。

藤原 綾さんは就職活動の際に、特に行きたい会社があった訳ではなかったそうなので一番早く内定が出た企業に入社しました。

でも出世欲が全く無かったため周りとの意識の違いに戸惑いを感じ、あることをきっかけに退職することを決意しました。

藤原 綾さんが退職することを知った先輩が藤原 綾さんを説得する為にある物を見せてきたのだが、それに対しての藤原 綾さんの質問がとても確信を突いていると思いました。

働く為のモチベーションは人それぞれであり、そのモチベーションを保てない環境で働き続けなければいけないというのはとても負担がかかるので、自分が何を大切にするかを見極める重要性をこの章で感じました。

その先輩が藤原 綾さんに見せたある物とは・・・?

本当の本当の本当に東京を離れても大丈夫?

人生はなかなか自分の予想通りにいかないこともあり、藤原 綾さんも本当に移住を決めていいのか不安になり友人達に相談してみたりしました。

でも結局は藤原 綾さんの移住のことは他の人からしてみれば他人事なのでポジティブな回答もあったものの、古くから藤原 綾さんのことを知っている友人からはネガティブな意見もあり、当たり障りのない意見よりはむしろそちらの方が信憑性が高いと感じたそうです。

東京生まれで東京で育った藤原 綾さんは、昔はもっと魅力的だと思っていた東京に対して、楽しさや刺激が少なくなっているような変化をつまらなく感じていたのですが、たしかに年を重ねるとそういったことが増えるような気がします。

その為、今いる場所が現時点では居心地が良かったとしても、その居心地の良さが将来も変わることはないのかについて考えた時に、以前仕事でインタビューしたある人の言葉が頭に蘇った。

そのある言葉とは・・・?

手段と目的を入れ替えてしまう「物件探しハイ」の恐怖

藤原 綾さんが気になっていた希望の物件が他の人に売れてしまったのだが、その物件はかなり条件が良かったのでその条件を超える物件はなかなか見つからなかった。

気になっていた物件が売れてしまったという悔しい思いから、仕事の過密スケジュールに追われていても実際に物件を見に行きたいという欲求が膨らんできました。

移住先さえ決まれば新しい道が開けるような根拠のない思いが膨らんできたそうなのですが、そういった気持ちを私も感じたことがあるので、その気持ちにはとても共感しました。

でもよく陥るケースではありますが、動かねばという思いばかりに気がいってしまい、自分にとっての最上の場所という大前提を忘れてしまっていた。

物件を検索する際に元々は考えていなかったエリアにもチェックを入れて物件を探してみると、思いがけずよさげな物件を見つけたそうです。

私も物件を探している時に同じような経験をしたことがあるので、藤原 綾さんが感じたことに対してとても共感しました。

探しているうちに自分が考えていなかった条件が気になりだしたり、早く見つけたいという思いや他の人に取られてしまうかもという焦りから、最初に決めていた条件を忘れてしまうということもありました。

藤原 綾さんは気になった物件を見つけ不動産会社にメールをすると、その物件にはいくつか告知事項があるという回答があった。

その中で藤原 綾さんが妙に引っかかるものがあったそうですが、見方次第では素敵なものにもなるものの、見方次第では大きいデメリットにもなる為、実際に物件を見てみないと判断がつかないというなんとも悩ましい問題があった。

不動産会社から告げられたある告知事項とは・・・?

効率や便利さに、楽しさが奪われる恐怖

移住後に不動産会社の担当者の方が周辺の町を案内してくれた際に、東京に居た頃は徒歩で行けた近くのスーパーやごみの処理場には車で行けないことを知った。

でもそれを不便と思うのか楽しく思うのかは人それぞれである。

その不便さを田舎に住まない理由にするのは藤原 綾さんは違うのではないかと考えた。

藤原 綾さんはITが生まれて色んなことが便利になった反面、その代わりに大切な物が失われていくような気がしていた。

ZOOMが普及すことによりあるものがすっかり減ったように感じており、そのあるものから生まれるものがあるはずである。

それを無駄として排除されていくことに対して時代についていけないおばさんの戯言なのだろうかと疑問に思ってしまったそうです。

その藤原 綾さんが減ったと感じるあるものとは・・・?

便利さと豊かさは、似て非なるものなり

都会は便利で田舎は不便というイメージがありますが、実際に田舎が便利か不便かをどう感じるのかは個人差があると思います。

イベントがある場所までわざわざ新幹線や飛行機で行かないといけないということを不便に感じる人もいれば、イベントをきっかけに色んな場所に行けたりもする。

その旅行自体を楽しみに出来る人は不便とは感じないのではないケースもあるのではないでしょうか。

都会にはコンビニが近距離に沢山あり、田舎では車で行かないと行けない距離にあることも多いですが、普段あまりコンビニに行かない人にとっては、コンビニがすぐに行けない距離に行けないことがデメリットではないこともある。

世間一般のイメージに囚われるのではなくあくまでも自分にとってどう感じるのかを考えてみることが大事ということについて書かれています。


女フリーランス・バツイチ・子なし 42歳からのシングル移住 [ 藤原 綾 ]

藤原綾【42歳からのシングル移住】の感想

藤原 綾さんは私と同世代の方なのですが、安定した大手出版社の社員という安定した座を捨てて独立してフリーのライターになり、その後地方に移住するという思い切った選択をされた心境についてこと細かく書かれており、とても興味深かったです。

本当は世の中には色んな選択肢があるけれど、そもそもその選択肢がある事を知っていないと選べない為、常日頃から情報収集として色んなアンテナを立てていると、思いがけない情報が入ってきたりする。

本著を読んでその重要性を改めて感じることが出来ました。

私も昔は田舎より刺激が沢山ある都会に魅力を感じていましたが、歳を重ねていくと著者のように段々刺激よりも癒し等を求めるようになった気がします。

藤原 綾さんのように温泉に入り放題な環境や家の周りに広がる大自然、近隣の方からの新鮮な魚介類やお魚の御裾分けなど、都会では味わえない豊かな生活にとっても憧れます。

もちろん憧れだけでは済まない現実的な部分もあると思いますが、自分にとって何が大事なのかという優先順位を基にきちんと決めてさえいれば、不便な所も含めて受け入れながら楽しく過ごせるのではないかなと思いました

藤原綾【42歳からのシングル移住】がおすすめな理由

自分が若いうちは身の回りの事を自分で出来たり、何か予想外な事が起きてもなんとか対応は出来ます。

でもこの先歳を重ねて自分が思うように身動きが取れなくなった時に不測の事態に襲われた場合に、自分を助けてくれる人が周りにいるのかという不安が藤原 綾さんが移住を考えるきっかけになったという事が私にもあてはまると思いました。

たしかに自分の身に置き換えてもそういった現実についてきちんと先々の事まで考えた事はなかったので、自分のこの先の生き方を考えるポイントがいくつか書かれています

藤原 綾さんが実際にどのように物件を探したのか、その方法が具体的に書かれているので自分も軽い気持ちでもし移住するならこんな場所がいいなと思う所を探してみようかなと思わせてくれます。

移住と聞くと歳をとってから第二の人生を歩むためにというイメージがありますが、普通の近隣への引っ越し作業ですらかなり重労働なので、全然知らない遠い場所への移住は更に負担が大きいです。

そのため移住を考えている方にはなるべく若いうちにした方がいいという藤原 綾さんの実体験を基に色んな出来事が書かれているので非常に参考になります。

いつかそのうちと考えていても、そのいつかが来た時には自分の体調や体力がすっかり衰えているかもしれないという事も想定しておかなければいけないという重要性に気づかせてもらえます。

交通の便があまりよくない場所への移住には、車の運転が必要だったり他にもどんな準備が必要なのかなどについて色々細かく書かれているので、もし自分が移住する場合はどんな準備をすべきなのかについてシミュレーションしやすいかと思います。。

まとめ

田舎暮らしに憧れている方にとっては、昔は田舎暮らしというと定年退職されたご夫婦などがセカンドライフをおくる為に田舎に移住して畑を持ったりペンションや飲食店を開業したりというケースが多かったですが、最近ではお若い20代や30代のお若い方も移住するケースが増えてきましたね。

都会の方が便利だったり刺激があったりする一面もありますが、豊かさとはそういった物だけではないですし、その人にとって大自然に囲まれた生活や、都会のような近隣住人との希薄な関係性ではなく、もっと気さくに交流出来る関係性だったり地域の方との触れ合いの場にも豊かさは沢山あると思います。

他の地域に暮らしてみて、今まで自分が当たり前だと思っていた事がとても恵まれていた環境にいた事に気がついたり、不便さの中にも楽しみや喜びが隠れていた事を知れるかもしれません。

リモートワークが出来て住居が固定されていなくてもいい方には、色んな場所で生活してみるいいきっかけになるかもしれません。

ニュースやネットから得られる情報ではその地域について得られる情報は限られていると思います。

なので一度実際にその地域に足を運んでみて、その場所の空気や地域住民の方の雰囲気や地元の方が食べている食事や、ネットに載っている切り取った景色ではなく自分の目で壮大に広がる景色を見ることで五感で沢山の物を感じられると思います。

そうすることで「ここで暮らしてみたい」という気持ちが湧いてくるかもしれませんし、コロナがきっかけでリモートワークが普及したこの機会に、人生のおくり方について考えてもいいかもしれませんね。

都会暮らしに疲れてしまった方には、心身ともにリセットする為にも一度暮らしている環境を変えているというのもいいかもしれません。

また、家を買いたいけど都会の物件が高くてなかなか買えない方にとっては、田舎の物件のお値段はピンからキリまであるので意外と手に届く物件もある可能性があります。

多少メンテナンスが必要な物件もあるかと思いますが、地道に根気よく探せば自分の理想にピッタリな物件が思いがけないお値段で手に入るかもしれません。

今は自治体ぐるみで移住者の方に対しての招致活動を行っていて、移住者対象の補助金や仕事を斡旋してくれるなどの制度がある自治体も沢山ありますので、そういった制度を利用する事で移住のハードルが少し低くなると思います。

長い人生を限られた場所だけで過ごすのか、それとも今まで知らなかった場所で暮らしてみて沢山の経験をしてみるのか、どういう人生をおくるのがその人にとって価値があるのかは人それぞれですが、私もいつかは自分が心地良い場所に移住してその場所での生活を満喫したいなと考えています。

★この本が気になった方にはこちらの本もおすすめです★

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