【小説家としての生き方100箇条】は、「キッチン」「TSUGUMI」「うたかた/サンクチュアリ」などで受賞し、父親は詩人の「吉本 隆明さん」で姉は漫画家の「ハルノ宵子さん」という芸術一家のもとで生まれ育ち豊かな感性で沢山の小説やエッセイを生み出している「吉本 ばななさん」。
その吉本バナナさんによる、小説家として生きるうえで決めている100箇条について書かれているエッセイです。
今日はこちら、吉本 ばなな【小説家としての生き方100箇条】についてあらすじや感想をご紹介していきたいと思います。
吉本 ばなな【小説家としての生き方100箇条】書籍情報
吉本 ばなな【小説家としての生き方100箇条】のあらすじについて
吉本 ばなな【小説家としての生き方100箇条】のあらすじをまずは、ご紹介したいと思います。
008 ○○はいつも素直に受ける。いろんな人や場所をただ見て、得るべきものを得る。そしてそれを○○してから自分の○○で書く。
脳科学で「RAS」という言葉があり、それは人が自分の興味や関心がある情報を無意識に見たり聞いたりする機能です。
その機能によって自分が欲しい情報が手に入ることもある反面、自分が興味がない情報は全く入ってこないので、逆に情報の偏りにも繋がるという面もあります。
吉本ばななさんは、自分の欲しい情報だけしか見たりしないことに対してあまり意味が無いと思っているため、なるべくフラットでいるように心がけているという。
吉本ばななさんにとって頭の中を無にするということとは・・・?
014 少し○○と思ったり、○○と思うことが、もしも自然に自分にやってきたら、逆らわずに乗って○○。必ず○○になる。
物事にはどの角度から見るかによって捉え方や意味合いが全く変わることもあるので、視野を広くすることによって選択の幅や人生の楽しみ方が大きく変わってくることの大切さが書かれています。
一見ネガティブに思える出来事なども後々自分の為になったりするので、どんな状況も楽しめるようになれたら凄く豊かな人生になると思わせてもらえます。
吉本ばななさんの自宅を訪ねてきた税務署の人に対して感じたネガティブをポジティブに変換した出来事とは・・・?
016 「○○こと」をしないこと。体と自然がそれは○○ことなのかどうか、いつも必ず教えてくれる。
人間社会では人との関わりが大きく影響してくるため、自分の本心のままに生きるのはなかなか難しい面がある。
人との付き合い上、自分が望んでいないことをやらなければいけなかったり、自分の気持ちを率直に言えない場面もありますが、吉本ばななさんは自分の直感をとても大切にしています。
よかれと思って自分に言ってくれたことでも自分にとってそう思えない場合は、自分の本心を大切にして無理はしない。
その自分の本心を大切にすることをないがしろにしてしまうと、どんどん蓄積していってしまって心や体が疲弊してしまう可能性もあるため、自分の本心を大切にすることの重要性について吉本ばななさんの経験を基に書かれています。
吉本ばななさんが経験した体が感じたエピソードとは・・・?
018 自分を○○ない。どんなときでもベストをつくして自分の〇を持っていれば○○なくて済む。
謙虚さや謙遜が好まれる日本では、自己肯定力が高めな人より低めな人の方が多い印象ですが、どちらが幸せかと言われたら一目瞭然だと思います。
ただ、昔から自然に自分に身に付いた価値観を変えるのはそう簡単ではないかもしれませんが、その場面の度に今までとは違う考え方をすることを積み重ねていくことにより、自己肯定力の高さが身についていくのではないかと思います。
吉本ばななさんが気を付けていることとは・・・?
096 ○○を見たことがない人は○○も見られない。
吉本ばななさんは平穏な人生を送っているかと思いきや、なかなかの波乱万丈な人生を送られています。
そんな大変な経験をされた吉本ばななさんだからこそ語れることが書かれており、今辛い状況にある人にとってはその言葉が希望になると思います。
小説家になった時に自分のモデルケースとして「新井 素子さん」のような方を想像していたのだが、現実はその理想とは程遠い状態で心が削られるような出来事を沢山経験した。
吉本ばななさんが海外でインタビューを受けた時に感動した日本でのインタビューとの違いとは・・・?
吉本 ばなな【小説家としての生き方100箇条】の感想
今まで吉本ばななさんの本は、小説よりもエッセイの方を沢山読んでいるのですが、吉本ばななさんはご自身の直感や感性を大切にされている方だなと思っていました。
本著もそんな吉本ばななさんが小説家としてだけでなく、自分自身が自分らしく生きるために大切にされていることが沢山書かれており、他の人からしてみればそんなことと思われるようなことが実はとても大切かもしれないと気付かせてもらいました。
例えると「自己中」という言葉は自己中心的で自分勝手というネガティブな意味で使われていますが、実は自分中心に考えるということは自分の気持ちを大切にするという意味でもあるのではないかと思いました。
私はつい自分のことをないがしろにして先に他の人に尽くしてしまったりしがちなのですが、本著を読むことでまず真っ先に幸せにするのは自分なのではないかということを気付かせてもらいました。
吉本 ばなな【小説家としての生き方100箇条】のおすすめポイント
「小説家」と聞くと自分とは住む世界が違う人、特別な才能が与えられた人など遠い存在のように感じますが、吉本ばななさんのエッセイを読むととても親近感が湧く内容が多く書かれており、いい事も悪い事も隠さずに自然体で表現されているので、人間的に信頼出来る方だなという印象を持っています。
吉本ばななさんはもし自分だったら体裁を気にしてネガティブなことは隠して本には書かないだろうなと思うことも気にせずに正直に書かれているので、それはなかなか出来ることではないと思います。
そんな方だからこそ人の痛みがわかり、心に沁みる言葉が書けるのだろうと思います。
自分の気持ちを言語化するのは簡単なようでなかなか難しいことだと思いますが、吉本ばななさんはその言語化が凄く上手だなと思っており、読み手側の心にもすっと入ってくるような言葉を使われているので、吉本ばななさんの本はまるで心のサプリのようです。
まとめ
吉本ばななさんは世間の評判や流行りなどよりも、まず自分がどう思うかや自分がどうしたいかということを大切にしているので、人からの評価や周りの人達と違う意見をなかなか言えない人や人の目が気になって自分の思うように行動が出来ない方には、自分の気持ちを優先して動くことが自分を幸せにしてくれるということを教えてもらえます。
無意識に自分のことを後回しにしてしまっている人は、こちらの本を読むことで自分は吉本ばななさんのように自分のことをちゃんと大切に出来ているだろうかということについて考えるきっかけをもらうことが出来ると思います。
本著にはどういった方法で自分のことを大切にするかということについて沢山の視点や行動などが書かれており、それは自分でもすぐに取り入れられることも沢山書かれているので、自分が変わるきっかけを探している方にはとてもおすすめです。
人の言動や行動が原因で傷つけられたりしやすい方には、どのような方法で自分の心を守るかについて書かれており、それは決して難しいことではなくすぐに実践出来る内容ですので、心穏やかな状態を保ちながら生活出来るようにするヒントが沢山ちりばめられています。
★この本が気になった方にはこちらの本もおすすめです★
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