ヨシタケシンスケさんはイラストエッセイ、装画、児童書の挿絵、スケッチ集など、いろんなジャンルで作品を発表しており、「りんごかもしれない」では第6回MOE絵本屋さん大賞第1位を受賞しています。
そんなヨシタケシンスケさんが大人も子供も含めたすべての人達に向けてくらしの知恵になるようにという思いで【欲が出ました】を書かれました。
人間は欲が出るから失敗することもありますが、欲が出るから面白いと思えることもあり、そんなさまざまな欲についてクスッと笑えたり、いろいろ考えてしまったりもするスケッチ付きのエッセイです。
【欲が出ました】書籍情報
・発売日:2020年8月
・著者:ヨシタケシンスケ
・カテゴリー:エッセイ
・書籍分類:単行本
・ISBN:978-4-10-352452-6
おすすめ目次ピックアップ
〈表面にうかんでいるイロイロ〉
著者はラーメン屋さんに行くとスープを作っている寸胴鍋に浮かんでいる野菜やお肉をどかしてお玉ですくう光景が楽しくてよく見ているという。
なぜその光景が楽しいかというと表面に浮かんでいるものを丁寧にどかさないとその下にあるいろんなものから抽出した部分だけをすくうことが出来ず、雑にやってしまうと余計なものが入ってきてしまうからだ。
それは自身の作品にも通じると著者は語っているが、たしかにそれは人生や人間模様などにも例える事が出来る。
表面だけを見るのではなく、その裏側にあるものを見るという本質的なことをついた一章です。
〈だってホラ本人だもの〉
日々の生活の中で嫌なことがあったり、ネガティブなことを考えたりして自分に嫌気がさしたとしても、自分が自分の本体を離脱したりするわけにはいかない。
そして誰でも一度は自分のことが嫌になったり別の人間や存在になりたいということを考えたことがあるかと思いますが、そんな時にどうするのか著者の諦めにも近い対処法を語る。
その対処法とは・・・?
〈実際にいいことがなくても〉
実際にいいことがなかったとしても「幸せの予感」さえあればどうにかやっていけるのではないかと著者は考える。
例えばおみくじで大吉が出たら、実際には何にもいいことがなくも大吉が出ただけで幸せになれるような気持になるが、それはポジティブシンキングが出来ることが大きいのではないか。
そして幸せはどのように決まるのかということについての斬新な視点で語る。
〈必要なところだけじゃまなものをどける〉
関東に住んでいる著者が大雪が降った時に、近所の光景から雪がいろんなものを可視化させることに気が付いた。
そして大雪だけの話ではなく、人生においても世の中みんな無意識にじゃまなものをどけながら生きているが、そのどけ方やどける量も人それぞれであると考察する。
日常のふとした光景から想像力豊かに色んなことを考える著者の発想力が素敵だなと思わされる一章です。
〈今まで一番明日が来てほしくなかった日〉
著者が大学生時代に作っていた立体作品をあちこちに見せていたらテレビ局から電話がかかってきて「たけしの誰でもピカソ」に出ませんかという誘いがきた。
しかしちょうどその収録の日は著者の人生に関わるある大事な予定が入っていた。
著者にとってはどちらも選びきれないくらいの大事なものだった故にどちらにもいい返事をしていたが、とうとう返事をしなければいけない日が明日に迫ってきた。
そこで著者が苦渋の決断で片方を選んだが、もし逆の選択をしていたらどうなっていたのかという事について考察する。
はたして著者はどちらを選択したのか・・・?
欲が出ました【電子書籍】[ ヨシタケシンスケ ]
おすすめポイント
本書は沢山のテーマについて書かれており、そのジャンルはとても幅広くヨシタケシンスケさんの思考の引き出しの多さに驚かされる一冊です。
以前、美輪明宏さんが『ラジオのどのチャンネルをまわしても楽しめる人になる』という言葉をおっしゃってましたが、まさにヨシタケシンスケさんの思考には色んなチャンネルが備わっているんだなと思えます。
一章一章が短いタイプのエッセイなので、隙間時間に気軽にちょこっと読むことも出来ますし、気になった章から読んでいくことも出来るので、気分転換にもとってもおすすめです。
ヨシタケシンスケさんは、絵本作家、イラストレーターという肩書をお持ちなのですが、本書は普段著者が書きとめているスケッチについて解説していくという形のエッセイです。
そのイラストがとても可愛く味があるので見ていてとても癒されます。
MOMOの感想
表紙のヨシタケシンスケさんの可愛いイラストに惹かれてつい手に取ってしまったのですが、てっきり中身もゆる~い感じかと思いきや、深い考察にハッとさせられるような話題が盛りだくさんでビックリしました。
普段自分が何気なく見ている景色でもヨシタケシンスケさんから見ると全然違った風に見えているんだなと思えました。
そしてその景色から色んなエピソードが出てくる視点の広さがとても素晴らしく、自分もそんな柔軟な考えが出来たら毎日が楽しくなるかもと思えました。
本書にはヨシタケシンスケさんの妄想のお話が載っているのですが、自分も小さい頃はよく色んな妄想をしていたな~と思い出しました。
大人になるにつれて妄想する事も少なくなったのは、なんでも現実的に考えてしまうからかなと思いました。
そうやって自分の思考に制約をかけて柔軟な発想が出来なくなるのは勿体ないと感じました。私も昔みたいに色々妄想して楽しみたいなと気付かせてもらえました。
【欲が出ました】はこんな方におすすめ
世の中、白か黒かの両極端な答えを求められがちですが、本書を読むとそのどちらかでなくても人それぞれがよいと思う答えでいいんじゃないかなという気持ちになりました。
ヨシタケシンスケさんもそんな風に優しく言ってくれているような気持になり、心が疲れている方にも沁みる素敵な本だと思います。
本書にはヨシタケシンスケさんの手書きのイラストが沢山載っているのですが、ゆる~い感じのイラストに癒されます。
本文を読む気力がない時も挿絵とそこに載っている手書きの文章はすっと読めるので簡単にちょっと気分転換したい人にも気楽に読んでいただけるかと思います。
ヨシタケさんのお子さんのお話もいくつか出てくるので、お子さんがいらしゃる方には「あるある」と心当たりのあるエピソードだったり、お子様がいらっしゃらない方にもほっこりするようなエピソードが満載です。
★この本が気になった方にはこちらの本もおすすめです★
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